【比較】サラゾピリンやアザルフィジンEN錠の適応や違いを分かりやすく解説!

薬剤師

薬局薬剤師をしていると、悩まされるのは適応だ。
サラゾピリンやアザルフィジンEN、メサラジンの適応は非常にややこしい。
今回はサラピリン錠やアザルフィジンEN錠について適応をわかりやすく比較してまとめた。

適応

サラゾピリン錠(サラゾスルファピリジン):潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、非特異性大腸炎

アザルフィジンEN錠(サラゾスルファピリジン腸溶錠):関節リウマチ

サラゾピリンとアザルフィジンENの違い

サラゾピリン錠(サラゾスルファピリジン)

適応:潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、非特異性大腸炎

剤形:普通錠

作用機序:不明である。サラゾスルファピリジンが分解されて、5-アミノサリチル酸が効果を現すと考えられている。

抗炎症作用 13)~21)、23)~25)
潰瘍性大腸炎はその病因がいまだに不明で、サラゾピリンの作用機序についても明快な結論は得
られていない。経口投与されたサラゾスルファピリジンの約 3 分の 1 は小腸でそのままの形で吸
収されるが、大部分は大腸に運ばれ、そこで腸内細菌の作用をうけて 5-アミノサリチル酸とスル
ファピリジンに分解・吸収される。その治療活性部分は 5-アミノサリチル酸であることが明らか
にされている。5-アミノサリチル酸は組織学的に変化の認められる粘膜上皮下の結合組織に対し
て特異な親和力を示し、この 5-アミノサリチル酸の抗炎症作用により効果をあらわすのであろう
と推定されている。
なお、サラゾピリン未変化体は、白血球の内皮細胞への接着を抑制することにより抗炎症作用を発
揮する。

サラゾピリンIF

アザルフィジンEN錠(サラゾスルファピリジン腸溶錠)

適応:関節リウマチ

剤形:腸溶錠

作用機序:免疫細胞からの炎症性サイトカインを産生抑制し、リウマチ患者の異常交代産生を抑制する。

腸溶錠の理由:投与により多く発現する消化器症状の副作用を軽減する目的で、腸溶錠が開発された。1

ENの由来や意味:enteric 腸溶性の~

作用機序
T細胞、マクロファージに作用し、それらの細胞からのサイトカイン(IL-1、2及び6)産生を抑制し、関節リウマチ患者の異常な抗体産生を抑制する。さらに、滑膜細胞の活性化や炎症性細胞の浸潤等を抑制し、かつ多形核白血球の活性酸素産生も抑制する。これらの一連の作用により、関節リウマチ患者の関節における炎症全般を抑制し、抗リウマチ作用を示すものと考えられる。

アザルフィジン添付文書

サラゾスルファピリジンについて

サラゾスルファピリジンは、5-アミノサリチル酸とスルファピリジンが結合したものである。

経口投与されたサラゾスルファピリジンは、大腸の腸内細菌によりアゾ基を分解される。
結果、5-アミノサリチル酸とスルファピリジンになる。

5-アミノサリチル酸

抗炎症作用があり、この成分により症状が良くなると考えられている。

スルファピリジン

多くの副作用はこの成分により引き起こされていると考えられている。2
潰瘍性大腸炎患者に、サラゾスルファピリジン液、メサラジン液、スルファピリジン液を注腸した結果、スルファピリジン液は優位に効果が低いことが示されている。3(注意:関節リウマチの患者は異なる)

関節リウマチにスルファピリジン

潰瘍性大腸炎の患者には、スルファピリジンは優位に効果が低かった。

しかし、関節リウマチの患者に対してスルファピリジンは効果があると考えられている。

5-アミノサリチル酸では、免疫細胞からの炎症性サイトカインIL-2を産生抑制しないことが分かっている。
そのため、関節リウマチ患者にはサラゾスルファピリジンもが重要だと考えられる。

まとめ

サラゾピリン(サラゾスルファピリジン)
剤形:普通錠
適応:潰瘍性大腸炎、限局性大腸炎、非特異性大腸炎
活性部分:5-アミノサリチル酸

アザルフィジンEN錠(サラゾスルファピリジン腸溶錠)
剤形:腸溶錠
適応:関節リウマチ
活性部分:サラゾスルファピリジン
腸溶性の理由:副作用の軽減
ENの由来、意味:enteric(腸溶性の~)

  1. アザルフィジンEN IF ↩︎
  2. スルファピリジン副作用について(メサラジンIF) ↩︎
  3. スルファピリジン液は優位に効果が低い ↩︎

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